No.4


   


     どうもばかにされてる気がする。

     ドラコ・マルフォイに心安まる日はなかった。
     あのハリー・ポッターが現れて以来。
     世界が自分や父親中心ではなくなった。

     薄い色素の蒼い目が、金色の睫毛の下に隠れる。

      なんだこれは。
      マルフォイ家のドラコ様ともあろうものが、
      これじゃ脇役だ。
      おまえなんかとは格が違うんだぞ。

     「なんだ、まだ寝ないのかね。眠れなのか?」
     独特の重みをもつ喋り方をする人物から声をかけられる。
     夜風が心地よい季節の、スリザリン寮。
     地下牢の、その奥の、陰湿な雰囲気の談話室。
     マルフォイが振り返ったその先には、
     この寮の寮監、セブルス・スネイプ教授が立っていた。
     ふたりの顔は、壁にかかった蝋燭の明かりにゆらゆら青く照らされている・・。
     両方とも血色が良いとは言いがたく、顔色は益々青暗くなってゆく。

     「すこし、考え事をしていました。
      寮杯獲得の為に、グリフィンドールに勝つ為には
      どうすれば良いか、と。
      純血であるがゆえの優位さの証をたてたい、と」

     スネイプ教授から少し離れた机の上にある羽根ペンを見やりながら、
     マルフォイは湿気を帯びた口調で静かに答えた。

       勇気ある行動で目立ち、活躍するハリー・ポッターが憎い。
       穢れた血でありながら、常に主席をさらうハーマイオニー・グレンジャーが恨めしい。
       ついでに、なにかというと口汚く喧嘩を売ってくる下品なロン・ウィーズリーが邪魔くさい。

     あらゆる負の感情でグリフィンドール寮の3人組を心のなかでののしる。

     それに気づいてか気づかずか、スネイプ教授は一歩マルフォイに向かって進み出る。
     「なら、もっと努力したまえ。
      我輩は、スリザリンが寮杯を獲得しつづけることを常に願っている。
      ・・・まったく、いつの時代もスリザリンの邪魔をするのは
      必ずグリフィンドールの奴らだ・・・」
     最後のほうのセリフは声が小さくて聞き取りにくかったが、
     マルフォイは妙な感覚にとらわれた。
     スネイプ教授の油っこい髪が蝋燭の明かりに照らされて、てらてらと揺らめくのをじっと見つめ、思う。

       スネイプ先生と自分とは似ている、そして違う。
       ハリー・ポッターを良く思っていない。
       大いなる可能性と実力をもつ自分の最大の敵は、グリフィンドールにある。
       いつも、あと一歩、及ばない。

     「スネイプ先生は・・・」
     マルフォイはスネイプ教授の獲物を射貫くような鋭い目を見据え、慎重に言葉を紡ぐ。
     「どうすることで自分を保っているのですか?」

     教師に、大人に、こんな質問をするのは初めてだった。
     ホグワーツに入学して以来、毎年味わう敗北感、言い知れぬ苛立ちと・・・
     ・・・恐怖。
     自分のこれからの在り方にヒントを与えてくれるのでは、と、マルフォイは問うた。

     「は、君が我輩にこのような質問をするとは。
      君は我輩のいったいなにを分かった気でいるのかね」

     交錯する視線同士が熱を帯びる。

     「すみません、余計なことでした。休みます」

     スネイプ先生の機嫌をこれ以上損ねると良くない。
     スリザリン生には多分に甘いと称される先生だが、基本的には
     自分と同じプライドの高い人間。
     プライドを満たせない、くだらない質問に答えるはずもない・・・
     そう判断し、マルフォイは小さく礼をし、寝室に足を向ける。

     「ドラコ・マルフォイ」

     ふいに、低い声で呼び止められる。

     振りかえると、スネイプ教授が羽根ペンをもてあそびながら、こう言った。

     「グリフィンドールの奴らより優秀であることを示すことは難しいことではない。
      ただ、正当な評価を下せる人間がどれだけいるか、なのだ。
      派手にやればいいというものでもない。
      堅実な者が、最後には平凡な幸せを手に入れるのだ。
      派手な者には派手な者なりに、派手な苦しみもあるものだ。
      まったく、因果応報というものだよ、くっくっく・・・・・・」

     スネイプ教授の言葉の裏になにがあるのかを、マルフォイはよく理解できなかった。
     このスネイプ教授が「幸せ」という単語を使うこと自体が不思議に感じた。
     でも、なんとなく、やはり、自分と先生は近くて遠い存在なのだ、と直感した。


     じっ・・・・・・・・・・・・・・・・
     談話室の蝋燭は、灯すべき対象の人物を失い、次第に光を収縮させていった。


     *******************************************************************************



     あくまで、スネイプ流の人生論を考えてみました〜。
     実際はちがうかも知れないけど、こんな感じじゃなかろうかと。
     幸せと辛いのは半分半分なんだよーんってことかな!
     どちらをより多く感じられるかはその人次第ってことで!
     なんにせよ、いい気持ちで生きて行きたいですね!!

     スネイプ先生は、相当な堅実家だと思うなー・・・
     時間内勤務オンリーのひと。勤務時間にきっちり予定通りやるひと。
     あらぁ、ワタシと正反対だわvv(ぉぃぉぃ)

     それはそうと、まさかスネ・ドラ小説書くとは思いませんでした、一週間前までは。
     なんかドラコって、「お〜れ〜はジャ○イアーン、がっきだーいしょおーっ♪」に近い
     イメージが私の中にありまして、本当のドラコってどんな奴?と思ったらスネイプとの
     絡みになりました(絡みゆーな)。

     小説書くのって難しいです。これを小説と呼んで良いのかすら謎です(笑)。



  



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