No.5


   


          「あら、似合うわよ」

          陽によく透ける赤い髪。。
          明るいグリーンの瞳は楽しげにきらめいている。
          久しぶりの生家でリリーは向日葵のような笑顔を振り撒いていた。
          ホグワーツ魔法魔術学校の高学年となったリリーはは休暇を実家で満喫している最中だ。

          のどかな郊外のたたずまい。
          やさしい光と緑に溢れた建物の一室で、
          リリーは妹のペチュニアに街で買ってきた洋服を着せていた。

          健康快活なリリーに対して、ペチュニアは痩せぎみの大人しい少女・・・
          といえばまだ聞こえはいいが、どちらかというと人の顔色を覗って相手によって
          態度を使い分ける、一癖ある女の子だ。

          ペチュニアは姉が少し苦手だった。
          姉は魔女だ。同じ姉妹でありながら、違う世界に生きるもの。
          魔法使いなんて、おとぎ話のなかで終わらせて欲しかった。
          姉妹でありながら、違いがありすぎる。
          どうやったって平凡な人間の私とは違う。
          できることも、ひとからもらうことばも。・・・・・。両親からの期待すらも。

          リリーがペチュニアに選んだのは白地に小さな花模様がちりばめられたワンピース。
          軽くて上品な素材の布で出来ている。センスはなかなか良さげだ。

          「そう、かしら。なんだか恥ずかしいわ、姉さん」
          「だーめよ、恥ずかしがってちゃ。
           それに、すぐ慣れるわよ大丈夫。
           なんなら、明日のデートに着て行っちゃっていいのよ!」
          「デっ・・デートだなんて、そんな・・・」

          真っ赤になって顔をそらす妹。
          そんなペチュニアをリリーは可愛らしく思う。

          「ダーズリーさんと会うんでしょう?
           おしゃれして行かなきゃ!!」
          「も、もう、なんで知っているの?母様に聞いたのね?」
          「ふふふ・・・ペチュニアも隅におけないんだ〜っ☆」

          いたずらっぽく笑うリリー。
          妹を応援する傍ら、本気で楽しんでいる。

          「ねっ・・・姉さんこそ、どなたかお付き合いしてるひと、いないの!?」

          突然の質問にリリー、ペチュニアの髪を結う手を止め、しばし固まる。

          「・・・。けんか中。よ」

          「・・・は?」

          姉の声が突然無機質になったことに少し恐怖しながら、ペチュニアは聞き返す。

          「・・・・・・。いるんだけどね。すっごく良くできる彼が。
           休暇に入ってすぐのふくろう便で喧嘩したの」

          良くできる彼とは、嫌味で言っているのか何なのか。
          ペチュニアにはとんと見当がつかなかった。
          ふくろう便は知っている。
          姉がよく使っている原始的な通信手段。
          今は電話だってFAXだって、果てやE-mailなんてのも出てきている時代だというのに、
          よりによって梟に手紙を持たせて相手のところまで飛んでいかせるなんて!
          なんで梟なのか、鳩でもいいではないか、どっちの方が糞が多いのかしらと、
          訳のわからないことにまで考えを巡らせて、ペチュニアはリリーをまじまじと見た。

          「相手って、魔法使いなんだ?」
          「うん、同じ学校よ」

          とりあえず重要なことだけ質問してみたら、あっさり予想通りの答えが返ってきた。

          ペチュニアの顔がひきつる。
          未来の義兄になるかも知れない人は魔法使いなの?嫌よこれ以上人外生物と関わるのは。
          口には出さずに心で叫んでみる。

          「なかなおり、したいんだけどね・・・」

          ふいにリリーが呟いた。
          つい先ほどまで笑顔だったのに、今はどこか寂しげで・・・。

          ダーズリー氏とつきあっている手前、ペチュニアにもその気持ちが少しは分かる。
          この際分かれてしまえなどとは、とても言えず・・・・・・・。

          「なかなおりしましょうって、手紙を出してみたら?
           どちらが悪いのか知らないけど」

          と、ついうっかり仲直りの提案なんぞしてしまう。
          するとリリーは表情一転、火の女神の如く髪を燃え上がらせ(とペチュニアには見えた)、
          鼻息荒く叫び出してしまった!

          「だ〜ぁれが折れるもんですかっ!!
           あっちが悪いっ、あっちがっ!!
           いっつもいっつも人をひっかけて遊んで喜んでるのよあの悪趣味男っ!
           珍しくプレゼントなんか贈ってくるかと思ったら、箱を開けたらあれよホラ、
           ボクシングのグローブがばい〜〜ん!!って飛び出してくるやつ!
           そうよこの間のパーティーに行く直前の話よ、顔もメイクも可哀想なことになったわよ!!」

          ・・・割と・・・いや、かなりハッキリした正確の姉のことである。
          こうなると手が付けられないのは、いやというほど分かっていた。
          為すすべも無くうんざりした表情になり姉を見つめるペチュニア、続けるリリー。

          「しかえしはしたのよ、リボンを解いた瞬間小麦粉が巻きあがる袋送って!
           でも、ジェームズったら、ひっかからないのよ、念の為水の中で開封しました〜とか
           言ってね、うっき―――――――――〜〜〜っっ!!」

          その後も、リリーの愚痴は延々と続いた。
          もう、ペチュニアの明日のデートのことは頭にないらしい。


          魔法使いってわからない・・・・・・。
          虚無感にひたりながら、ペチュニアはダーズリ―と普通の平凡な人間らしい家庭を築こうと
          堅く心に誓った・・・・・・・・・・・・・・・。




     *******************************************************************************

          何故だか・・・スリザリン物語の次はペチュニア物語です・・。
          最後のほうはもうリリー暴走物語です。
          途中までの、顔を隠したくなるような前世代少女漫画若草物語風味な雰囲気は一体。。。

          ・・・ジェームズのいたずらにひっかかったりもしてたんだろうなぁリリー。
          ジェームズは常に上手を行っていたんだろうなァー。
          ジェームズの方から謝ったんだろうなァー。
          多分お互いベタ惚れだろう。。。

          そして何気にお・ま・せ・さん☆なペチュニアにも乾杯。
          (ラスト、魔法使いが分からないんじゃなくて、リリーとジェームズが
           わからない、が正解だと思うわペチュニアさん〜〜と自己ツッコミ)

          へんですね、書き始めた当初は姉をうらやむ切ない少女時代のペチュニアの苦悩とか
          書くはずだったのに〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
          っていうか、なぜ主役にペチュニアを持ってこようと思ったかということ自体今や謎です。
          とりあえず、リリー強し。見事にペチュニアの存在感喰ってます。

          ここまで読んで下さってありがとうございましたv(^^ゞ

  



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